自費出版の成功は、業者とうまく付き合うことにあります。ここでは、業者の見分け方・決め方について説明します。
自費出版の業者選びでは、費用・出版効果及び安心感、という、相対する2つの要素のバランスを充分に考える必要があります。
ネームバリューと流通のパイプの太さを重要とするのであれば、誰でも知っているような大手出版社を選ぶことが必要です。「あれ、そんなところで自費出版出来るの?」と思われるかも知れませんが、数百万から数千万の金額を提示すれば、「スポンサー」的な扱いで出してくれる所も結構あります。
書籍の体裁も全く市販の書籍と変らないものが出来ますし、冠を掲げる以上、内容的にもかなり手を入れてくれます。社会的な信用もあるため、一度請けさせてしまえば必ず立派な書籍が出来上がることはとても魅力です。ただし、「大手出版社」としての冠を掲げる以上、内容の審査によっては出版を断られる場合も多いものですし、「いくらお金を積まれても自費出版はしない」という場合もありますので、まずは意中の出版社に、電話やメールなどで聞いてみましょう。
会社などで出す場合を除いて、殆どの方は、出版に数百万・数千万はかけられないだろうと思います。そこで、敷居が少し低いものとして、自費出版専門業者があります。
全国には無数の自費出版業者がありますので、新聞広告や、電話帳、インターネットで調べればある程度は見つかるはずです。その上で、皆さんはインターネットが利用できる方々ですから、まず、調べ上げた出版社での自費出版書籍をAmazonやYAHOO!ショッピング等のインターネットブックショップで検索してみましょう。もし、その出版社の本が登録されていれば、それはISBNコード(本の後ろに刷られている英数文字のコード。これで本が管理される)を取得し、一般的な流通に乗せてくれる業者であることがわかります。他にも自費出版をされた方々のホームページなども参考になります。その上で、各出版社の連絡先・サービス・価格帯などを良く調べてから、資料請求を行いましょう。下調べはしすぎて困ることはありません。
残念ながら、希に本当に悪質な業者もいますが、企業として自費出版サービスを行っている業者は、殆どが良心的なサービスを心掛けています。それなら、何故、トラブルになることが良くあるのでしょうか?それは、悪い「担当さん」に当たってしまうことがあるからです。
「担当さん」は業務の上で大きな力を持っています。実際には担当が社内でどのように動いてくれるかで、あなたにとって良い業者とも悪い業者ともなります。残念なことですが、どんなに優良な業者にも悪い担当はいます。これは個々の担当に受注目標が科せられている以上仕方のないことです。また逆に、収益第一の業者の中にも良い担当は数多くいます。
契約以前に自費出版業者や「担当さん」の良し悪しを見分けるのは大変に難しいことです。ただ、事前の応対や打ち合わせで次のような傾向が強い場合は、一応の疑いを持っていいと思います。契約は一旦考え直すようにしましょう。契約書にハンコをついた後では、簡単には取り消せません。
1.判りやすい具体的な見積書・内訳書を最後まで貰えない。あるいは良くわかるような説明を貰えない。
2.原稿やアイデアに対して、「誉め言葉」ばかりが大げさに繰り返され、どのようにすればより良くなるかというような意見が全く帰ってこない。
3.契約上の具体的な質問に対して、マニュアル的な答え以外返ってこず、細かい部分については途端に口が重くなる。(うまくお茶を濁らせる)
4.書籍の内容をどのように仕上げていくのかという具体的な編集方針を契約以前に教えてもらえない。(「仕事をはじめてみないと何ともいえない」などの理由で)
5.本の体裁や、納期、流通に乗せるのであればその流通計画など、書籍の編集内容と同様に重要な部分についての事前の打ち合わせについて、具体性を欠く。
6.総じて、「とにかく私に任せてください」といった具体性を欠く感じの担当と、一生懸命なだけの「御用聞き」のフリをしている担当。
7.ライターによる修正で済むところを、ゴーストライターによる書き直しを強く勧める。
挙げ続けるとキリがありませんが、仮にも高額な代金を支払うのですから、常に具体的な事までを知らされる立場に居ることを忘れないようにしましょう。少なくとも、しつこく聞くことによって本の質が落ちることはありません。(但し、代金を支払うとは言っても、出版は著者と業者の共同作業ですのであまり高圧的な態度は望ましくありません。)
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