どのようなものが自費出版に適した素材なのか、目的に応じてどのような計画を行うべきかについて説明します。
何度も言うようですが、自費出版は、作った本の売り上げで「儲ける」ことは不可能です。自費出版で出した本が元手以上に利益を出すことは滅多になく、ベストセラーになること等は本当に稀なことです。出版社から見ても売れるようなものは企画出版に廻す訳ですから当然といえば当然です。
本の売上を目的としたり、出版代を全て回収するのは、まず不可能と割り切りましょう。どうしても利益を生みたいのなら、著書をビジネスに活用するなど、副次的な効果での結果を考えるようにしましょう。
以上のように、自費出版は「お金を出してでも本を出したい」という動機がある場合にしかお勧めできません。例えば、次のような目的は、自費出版に適しています。
・名刺代わりとしての書籍・・・仕事上の体験記・事業のHOWTO本
・一般に広く訴えたいこと・・・裁判記・被害者体験記・告発本・思想書・学問上の新説
・自分や家族の歴史
・アマチュアとしての成果をまとめるための作品集や絵画・写真集・同人誌
これらは、自費出版の利点を全て踏まえた素晴らしい出版目的であると言えます。
利益を考えるのであれば、自費出版の最も効果的な形は、名刺代わりとしての出版物の作成です。協力出版による自費出版は、信頼を高める絶対的な武器となるでしょう。書店に並ぶようなものでなくても、例えばあなたの伝えたいことをエッセンスとした小冊子を作り配布することなどでも、会話では伝えきれない多くの言葉と印象を、相手に残すことが出来る筈です。
自費出版は、作家・ライター志望-特に小説やエッセイなどの作家になりたい方の発表の場としてはあまり適してはいません。特に協力出版は、「出版社の本」として流通ルートに乗せられるものですから、新人賞などでの参加資格に抵触する場合もあります。文芸作家や、ライターを目指す方は新人賞への応募を考えるほうが堅実でしょう。
残念ながら、自費出版業者の営業マンの中には、「自費出版から大作家になった人が大勢いる」等の、「ウソ」に近いセールスをする心ない人が少なからずいます。でも、本当に大作家になれるのは、普通に新人賞などに受賞できる、一部の天才のみです。協力出版を求められた時点で、その作品にはそれだけの見込みが無いのだと、きっぱり諦めておくことが肝心です。
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